このMamiya Sekor D AF 45mm f/2.8は、自分にとって「(35mm換算28mm程度の)素直な広角」として、Phase One IQ160およびIQ140と組み合わせて多くの作品に使ってきたレンズです。
デジタルバック時代を前提に設計されたDタイプということもあり、色収差や周辺減光、斜め入射による像流れといった問題が少なく、phaseoneの新旧センサーに安定して応えてくれました。
私自身はあくまでセミ判(IQ140)およびフルサイズ中判(IQ160)での使用経験に基づいてコメントになりますが、
フルサイズセンサー(53.7×40.4mm)を使った場合、この45mmの画角は空間の奥行きを穏やかに強調する描写になるのが魅力です。
一方、セミ判センサー(43.8×32.9mm)では、ややタイトな画角に感じられ、風景や人物にも使いやすい“標準寄りの広角”という印象でした。
開放F2.8は、屋内や朝夕の自然光下でも安定した露出を確保でき、AFも正確で安心感があります。
またボケ感も中判らしく、広角なのに標準並みにボケる点がなんとも言えません
画質としては、特にF5.6〜F8あたりで解像感とコントラストのバランスが良く、IQ160の高密度センサーでも周辺まできっちり描写します。
“場を広く写したいが、空間の骨格はきちんと保ちたい”という時に重宝しました。
最短撮影距離は45cm。
十分な寄り性能があり、被写体との関係を保ちながらも構成しやすい距離感です。
全体として非常にコンパクトで、重量も530gと中判レンズとしては軽量級。
Phase Oneボディ+三脚運用でも重さを気にせず使えるサイズ感で、手持ちでもバランスが崩れません。
個人的には、Phase One広角単焦点を一本持つとしたら、まずこのレンズを挙げると思います。
===商品の状態===
カビ曇りなし
撮影に影響のない程度の塵あり
鏡筒部に打痕はありませんが、使用に伴うすれ傷はあり
・純正レンズフロントキャップ
・純正リアキャップ